Chapter3 〜Turning point 転機〜
苦いからビールは嫌い、と彼女は言った。
再開してからはつくることに喜びを感じ、誰かがおいしいといってくれたらいいとか、
一人きりの会社だから、自分が食べていければいいという自己満足の気持ちが大きかったんです。
それがある人との出会いで変わっていきます。
その人とはあるテーマパークで行われた地ビールのイベントで出会いました。
当時、彼女はそのテーマパークの広報でした。
彼女は僕につくるだけでなく、たくさんの人に飲んでもらう大切さを気付かせてくれたのです。
彼女を迎えて初めてつくった商品が、
バレンタイン限定のチョコビール「インペリアルチョコレートスタウト」です。
数々のメディアで取り上げられ、国内外の品評会でも軒並み入賞、
サンクトガーレンを有名にしてくれたビールと言ってもいいでしょう。
彼女との出会いでサンクトガーレンに新しいブランドが加わりました。
ある時、彼女に「ビールは苦いから嫌い」と言われたんです。
さすがに自社内の人間に「だったらビールを飲まなければいい」と言う訳にもいかなくて。
それに、身近な人に自分のつくったものを美味しいと思ってもらえないなんて悔しいじゃないですか。
それで立ち上げたブランドが『スイーツビール』。
新たな挑戦のはじまりです。