Chapter6 〜Originality うちだけの味〜
一口目ではなく、たっぷり飲んで完成する味。
「サンクトガーレンのビールとは?」と聞かれれば、僕はこう答えます。
僕はよくビールの味を“きれい”かどうかで表現します。
きれいだなと思うビールは、苦味・香り・コクのどれかが特出することなくバランスが良いビール。
バランスの良いビールは、何の“ひっかかり”もなくスムーズにいっぱい飲める。
ちゃんとビールの旨味があるのに、アルコールであることすら感じさせず、
水みたいにするする飲めちゃうビール、それが理想です。
逆に言うと僕のビールは、1口目のインパクトは少ないかもしれない。
でも2口、3口、グラス1杯飲んで、もう1杯飲みたくなるような、そんな味を目指しています。
1口目のインパクトが強いビールは、最初は良いけど、グラス1杯飲み干すのに疲れてしまう。
個性の無さすぎるビールは「とりあえず1杯」で終わってしまう。
その中間ですね。主張しすぎない、でもちゃんと存在感はある、そんな感じかな。
あるお客さんに「これ麻薬でも入っているんじゃないかと思うくらい手が伸びる」と言われたんですが、
最高のほめ言葉ですよね。
もちろん、そんなもの入ってませんが(笑)